農地・林地・宅地見込地について

質問

田んぼがあるけれど、もう両親は高齢で耕作できない

山を持っているけれど、立木は手入れしておらず売れるのだろうか

答え

土地には、宅地、農地、林地等の用途的利用形態による様々な種類があり、不動産市場では通常そのそれぞれについて異なった価格水準を呈しています。これらの評価にあたって、不動産鑑定士は現況に応じて採用する取引事例や評価手法を判断し評価を行います。ただ、宅地といっても、住宅地、商業地、工業地やさらに細かい分類種別が多数あって、鑑定士はその土地の存するエリア全体について、その地域の特性にマッチした計算手法や資料を採用していきます。
農地についても、市街地内か郊外にあるのかによっても評価手法は異なっており、さらに郊外部の宅地化の影響を受け得るエリアの幹線道沿線にある場合は「宅地見込地」という不動産鑑定特有の評価種別にあてはめ、将来宅地転用した場合の売却収益性も価格に加味していきます。
また、林地についても農地同様、市街地内か郊外かあるいは山村奥地の林地ともなればスギ、ヒノキなどの立木も評価の対象になってくる場合もあります。これは実際山を買う人が素地よりも立木を目当てに売買を行う場合が多いことから、立木も資産価値を有するものとして計上すべきという考えからです。この場合は当然、評価額は材木市場価格にも影響されますので特殊な評価方法も採用されることとなります。
この様に多種にわたる種別に加え、不動産上に借地権等の負担すべき権利が存する場合もあり、適宜煩雑な作業を行っていくのが評価現場の実情です。

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